スポンサーリンク

【超音波レコードクリーニング】2023年最新!超音波洗浄機(中国製)を4年間使ってみた!

レコード洗浄

チリパチ、レコードノイズをなんとかしたい!

「あー!チリパチが気になって音楽に集中できない!!!」

中古レコードを買ったことがある方なら誰でも一度は思うことである。

せっかく買ったレコード、お店で検盤・チェックしたときは傷ひとつなかったのに、家で針を落としてみたらチリパチノイズがやたら耳につく…ま、あるあるですわな。

それならば…とレコードクリーナー「レコクリン」で磨いてみたり、ブラシでホコリを払ってみたり、よくわからないベルベットのレコード拭きみたいなもので擦ってみたり。

それでも落ちないチリパチノイズ。

いっそ、手洗いしてみようか?と洗面所や台所で洗浄したことのある猛者もおそらくいるだろう。

クリーナーや手洗いが効果がない!とはいわないが、やはり限界を感じるというか、目に見えない溝の中にこびりついているだろうホコリは取れてないような気がする。

そんなときふと、ネットやメガネショップの店頭で見たような「超音波洗浄機」、レコードに使ってみたいな〜!なんて思うことありますわな。

隷好堂
隷好堂

メガネ屋の店頭の超音波洗浄機、あれ不思議なくらい汚れが落ちるんだよね。

ちょっと使いにくいけどw

とはいえ、超音波洗浄機なんて街中の眼鏡屋の店頭でしか見たこと無いし、実機を試してみたくてもなかなかそんな環境は無い。

超音波洗浄機を持っている奇特な友人など、いるわけもないw

検索するとレコードの超音波洗浄を宅配で受け付けている専門ショップもあるようだ

しかしながら、高価な盤なら輸送による破損の心配もあるし、なにより大量の枚数の場合はコストの問題が…。

所有レコードは1000枚を超え、って人もいるよね。

さすがにこの1000枚を送るというのもコスパ悪い。

おおよそ1枚300円だとして100枚やれば3万円、輸送コストもいれれば軽く4万くらい。

1000枚なら40万!?いやいや、それはないわーw

うーん、とはいえ新しいレコードを買い直すのは嫌。

また唯一無二の高額盤・オリジナル盤ならなおのこと、買い直しなんて簡単にできるもんじゃない。

つまりはなんとか綺麗にできないものか…

ということで、私はコスパを考えてアマゾンで超音波洗浄機を「えいやっ」で購入することにした。

結論から言うと、4年前のこの判断は大正解だった!

ここからは私の超音波洗浄機購入から使用感、超音波洗浄機によるレコードクリーニングのメリット・デメリットについて詳細に記載していきたいと思う。

超音波洗浄機を購入・使用してみた!

【購入】見知らぬメーカーの中からどれをえらぶか?

まずはアマゾンで「超音波洗浄機 レコード」で検索してみた。

いやー、出てくる出てくる、有象無象の洗浄機。こんなにあったのか?ってくらい出てくる。

値段はざっくり25,000〜100,000円くらい。ほとんどの機械はブランド名も聞いたことがないメーカーのものばかりだ。

最近の有名どころで言うと、HumminGuru(ハミングル)であろう。たしか2年くらい前にクラウドファンディングで始まった機械だったかと記憶している。執筆時点(23年11月)ではアマゾンで79,000円である。

おしゃれな形で使い勝手も良さそう。クチコミ評価も悪くない。

だが残念、そんな予算は無い。

そんなお金あったらそのお金をレコードに・・・となっちゃうのが私。

もっと安いものでいいものはないか・・・ゴリゴリとアマゾン検索するが、出てくるのはこんなのばかり。

お!値段は安いが、あやしい…どれも明らかに中国製のようだ。

更にスクロール。

この89,999円とかもすごそうだが、さっきのハミングルよりも高い。却下。

…で迷うこと数時間、口コミも色々読んでみたが、賛否両論感は否めなかった。

判断に迷うところだ。

【購入】迷ったら自分で条件付!予算5万円以内、複数枚同時洗浄!

煩悶すること数ヶ月…とはいえ、大した口コミも増えないし、判断材料は増えない。そもそもニッチなカテゴリの、多分に主観的な効果判断しかできない製品なのだ。

これはもう、買って試すしか無い。

私生活は慎重派の私だが、ことレコードのことになると大胆かつポジティヴな私、人身御供として購入することを決意した。

とはいえ先立つものには限界がある。ということで予算は5万円以内。条件として「一度に複数枚洗浄ができるもの」を選ぶことにして改めて検索。

で、購入したのがこちらのマシンである。

【使用】いざ使ってみる!まずは梱包物確認

さて、購入したのはもう4年前なので外装パッケージなどは残っていない。

アマゾン商品サイトから公式の画像を引っ張ってきた。

そして、私所有のものは外観。若干上記サイトの写真より丸いフォルムだが、おそらく4年の間にモデルチェンジしている可能性はある。

結構でかい。
ズシンと重量がある。

大きさを比較できるように何か…とおもい、たまたま手元にワンカップがあったので置いてみた。

一応寸法・重量も載せておく。

なお、アマゾンでは記載が見つからなかったがやはり中国製である。

まじまじと見ると結構電力を使うようだ。

付属品の現物はこちら。

上からレコード洗浄時のレーベルカバー、左にノブ・リフトブラケット(中心のゴツい黒いやつ)のアダプタ、そして一番右が洗浄機本体の電源ケーブルだ。

【使用】組み立て・実使用

さて、使うときはどうするか。

まずはレコードを差し込む肝となる「ノブ・リフトブラケット」(長いのでブラケット、と略)を本体に取り付ける。

本体縁にブラケットをはめ込み、専用のネジを締めて固定
こんな感じでセット完了

こちらにまずは蒸留水(推奨)を注ぐ。公式には6リットル。

そうそう、当たり前のことだが超音波洗浄機およびブラケットにそれぞれアダプタを繋いで給電しなければならない。

意外にアダプタを2つつなぐ、というのはめんどくさい。電源タップが必要になる。

ついでブラケットにレコードレーベルのカバーをはめ、レコード→カバー→レコード→…と5枚のレコードを挟み込んで洗浄機のスイッチ、およびブラケットのスイッチをオン!

洗浄機のスイッチ類。左から温度調節(+ー表記)、ヒート機能(中の水を温める)、脱気洗浄ボタン、洗浄ボタン、タイマースイッチ(+ー表記)

ブラケットがモーター音を鳴らしながらレコードを回し、洗浄機は超音波を発しているであろう「ブーン」という音とともに洗浄開始となる。

レコードを挟み込んだ図。ブラケットがくるくると周り、まんべんなく盤面に超音波洗浄されるようになっている。

さて、具体的かつ効果的なレコード洗浄の仕方について詳細を知りたい方は以前私が書いた方法をご参照いただきたい。

【決定版!】レコードクリーニングの極意!超音波洗浄機でレコードを洗浄する!の巻

隷好堂
隷好堂

レコードを超音波洗浄するときにあると便利なグッズや、実際の洗浄から乾燥までの工程を写真入りで掲載してます。

最後に、洗浄が終了したら、すべてのアダプタを抜いて、洗浄機側面の蛇口から中の水を抜く、ということになる。

蛇口。専用のホースはついていない。傾けて流しだす。

以上が購入から組み立て・使用までの流れである。

買ってみて使ってみてわかった超音波洗浄機のメリット・デメリット

さて、実際に購入して4年間使用してきた。ここではレコード超音波洗浄機のメリット・デメリットを書いていきたいと思う。

【メリット】チリパチノイズがしっかり落ちる!

なんといってもこれだ。液体洗浄クリーナーの吹付け→拭き取りに比べれば格段にチリパチノイズは取れる(軽減する)。

まずは洗浄機の底に溜まったノイズのもとと思われるホコリを見ていただきたい

見づらくて恐縮だが、実際に目の当たりにすると結構ホコリが落ちている。

また、洗浄後のレコードを乾燥→ターンテーブルに載せて一度再生すると驚くほど針にホコリがついていることがある。

再生も内周に近づくにつれて篭ってくる。ホコリが針先について溝をしっかりトレースできなくなっているためだ
針先が見えないほどにこびりついたホコリ
隷好堂
隷好堂

この針についたホコリをみると、「あ〜、超音波洗浄機、効いてるわ〜」って実感が湧きますw

長年、レコードの溝にこびりついたチリ・ホコリ・汚れが超音波洗浄機でふるい落とされ、あるいは緩み、再生時には溝から剥がれて針にこびりつく、という感じだろう。

この写真見ると、気持ちいいくらいきれいになっているな!という実感が湧く。嬉しい。

【メリット】当然・音質改善される

これまで悩まされていたチリパチノイズ、これが超音波洗浄によってかなり解消される。

当然ながらよりクリアな、チリパチのない(少ない)音でレコードが楽しめるようになる。

【メリット】一回の洗浄で5枚同時に洗える

これも大きなメリット。前掲した「ハミングル」はおしゃれなのだが、コストはともかく1回の洗浄で1枚しか洗浄できない。

これは大量のレコードを保有している好事家にとっては結構な問題である。そもそもレコードクリーニングに超音波洗浄機を検討するような方々はそこそこレコード枚数をお持ちのはず。それをちまちま1枚づつ洗浄すると言うのは、正直めんどくさいだろう。

その点、この超音波洗浄機であれば一度に5枚洗浄することができる。洗浄時間はお好みで設定であるが、例えば私の場合は5枚同時洗浄で1洗浄あたり10分程度、ということは一時間で30枚ほど洗浄できる計算となる。

【メリット】とにかくラク!

5枚同時洗浄できる上に、洗浄後は水分を拭き取って乾かし、収納するだけである。

レコクリンやビスコのように一枚一枚液体をふりかけ、磨き、拭き取り、乾かす。

「手を動かす」「手数」という観点では、ブラケットにはめ込んでネジを閉めるだけのこちらの洗浄機のほうがやることは少なくて楽である。

【メリット】BC盤をひるまず購入し、音質改善を狙う

これは二次的、ではあるが、超音波洗浄機を持っているということは、中古レコード購入、特に盤質の悪い盤購入に強みを持つことができる。

通常、高価な盤であっても「盤質」(盤の状態)が悪ければその分価格は下落する。値札には通常「BC盤」、あるいはVG+とかVGと記載されている。

こういった盤も、超音波洗浄することで盤質・音質向上する場合があるのだ。

もちろん、検盤して見つけた致命的なキズを治すことは超音波洗浄機では不可能だが…

BC盤の中には「致命的なキズは無いがチリパチノイズが酷い」とか「いわゆる砂キズ(盤に砂のようなホコリがついている)が多い」というものもある。

お店の人も1枚1枚針を落として確認しているわけではないので、キズは無いが見た目が汚いならBC評価をすることもママあるわけだ。

この隙をついて、欲しかったお宝盤を安く購入→超音波洗浄機でレコードクリーニング→驚くほど音質改善!という体験を私は何度もしている。

つまり、超音波洗浄機を持つことで「なかなか手に入らなかったレコを、BC盤で廉価で入手→音質改善」という技が使えるようになるのだ。

【メリット】もちろん、レコード以外にも使える

当然であるがレコード以外にも使用できる。

同梱されている編みカゴに時計・メガネなどを入れて洗浄することも可能だ。もちろん、よく落ちる。

同梱の編みカゴをセットした状態。なおかごをつけたままだとレコードがかごにぶつかってしまうので注意が必要だ。

以上が超音波洗浄機購入のメリットである。

続いて、「ここは正直…」と思う部分も書いておきたい。

【デメリット】初期費用がかかる

一番の悩みはこれ。いくら安くても3万弱〜の値段設定はおいそれと試せるものではないかと思う。

今回私が試した実機は、実際に自ら購入し4年間使い続け、おそらくレコードも1,000枚以上洗浄し、それでもなおタフでいまのところ故障一つない。これをコスパが良いと取るか、とはいえ高いと取るかは個人差があるかと思う。

【デメリット】音がちょっとうるさい

超音波を使うだけあってやはり洗浄中には多少なり音が出る

以下は私のiPhoneで録音した洗浄中の音である。

ブラケット(レコードを回す)のモーター音と、超音波洗浄機の高域の音が混ざりあう。洗浄中は別のスペースに居るならば全く問題ないが、マンション等で防音がない場合はちょっとうるさいかもしれない。

【デメリット】かさばる・収納が必要

先程洗浄機の写真を載せた通り、結構図体はデカい。しかも重い(約7キロ)。

広い作業部屋のようなところに据え置きできる環境であれば問題ないと思うが、そうでない場合は1回1回組立→バラシ、の作業が必要になる。これをめんどくさいと捉えるか、意に介さないかは分かれるところかと思う。

また、本体の図体がデカいのに加えて、ブラケットやレーベルカバーなどのパーツが多いのも収納が面倒になる一因でもあろう。

【デメリット】それでも落ちない場合もある

これはデメリット、という訳では無いが…

いくら超音波洗浄機であっても、強力にこびりついた汚れや、目に見えない傷によって、それでもチリパチノイズが除去できない場合もたまにある。ここはもう洗浄機ではなくレコード本体の問題である。

さすがにこればっかりは「モノには限度・風呂には温度」である。

まとめ:デメリットもあるが、それでもレコードが好きなら「買い」で間違いない!

いかがだっただろうか。

先にも結論を書いたが、レコード好きで今後も長くレコードを楽しもうと思っている人にとっては、正直この商品は価値がある。

なにせこれまでチリパチノイズに悩まされていた盤を、洗浄してよりクリアにもう一度楽しめるのだ。

買い替え、よりもエコだし、お持ちの貴重盤・愛聴盤がまるで蘇ったかのような、フレッシュな音をまた楽しめるのだ。

もし記事を読んで興味を持たれたらぜひ、試してみてほしい。

ご一読ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました