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続・レコード洗浄について_ドライウェルの重要性と内袋_超音波洗浄機がないときの洗い方も!

レコード洗浄

今日はレコード洗浄シリーズの第3弾である。

超音波洗浄機を用いたレコード洗浄に関しては以前記事にした

中華製超音波洗浄機についてもレビューをしている。

稀有のアイテムを使っていることもあるのだろうが、やはり効果を感じている。苦節数年、我ながらいいやり方を編み出したものだと自負している次第だ。

今日はその中で洗浄のポイントと、洗浄後の処理についていくつか追記したいことがあるので新たに記事に起こした次第である。

超重要ポイント「ドライウェル」

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まずは以前の記事でも書いたドライウェルの重要性である

これがやはり汚れを落とす大きなポイントだ。ドライウェルのあるなしで正直、汚れの落ち方が全く違う。またその分量も結構重要かと思う。

あくまで私の目分量的なスポイト計測だが、ドライウェルに関しては超音波洗浄機(5枚同時洗い)の場合、1回の洗浄で5mlほどが適量だ。すなわちレコ1枚あたり1mlという計算。

他サイトをいろいろ調べてみると、ドライウェルは1滴とか、ほんのちょい、という意見もあるが、私は逆に比較的たっぷり目を推奨したい。

以前はこのドライウェルを全く入れずに水だけで超音波洗浄していた。これはこれでもちろん汚れは落ちることは落ちる。ただ、以前洗浄した「ドライウェルなし」洗浄盤を、再度「ドライウェルあり」で洗浄したところ、今まで以上にチリパチノイズが無くなった。やはり界面活性剤の力はすごいのだ。

なお、ドライウェルをちょっと入れすぎたかな…と感じる時。それは洗浄機から取り上げてレコについた水分をキムワイプで拭き取っているときに若干の泡が残っているときだが、、、その場合は水道水で洗い流せばいいだけである。

補足:超音波洗浄機がない場合はどうするか?

超音波洗浄機がない場合のレコ洗浄だが、その場合はナガオカさん推奨のこの動画の通りに洗浄するのが一番良い気がする。

この中の、以下の部分。

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ここ。「レコードは中性洗剤を使うことが出来ます」とある通り、この中性洗剤の中に界面活性剤が入っている。すなわち中性洗剤≒ドライウェルと同じ役割ということだ。

中性洗剤で磨くことで盤面に水が染み込みやすくなる。ここでは指で擦っているが、例のアルジャントで磨いてやってもいいかもしれない。

なお、洗浄の際は動画の通り、必ずラベルプロテクターを装着して欲しい。お値段は少々するが、これがないとレーベルを痛めるし、洗浄中に手を滑らせて悲惨な事態が起こることもある。マストアイテムだ。

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盤面の磨きに歯ブラシを使う場合は「デンターシステマ」一択だ。

この超極細毛ならばレコードを痛めることはない。私も実際試してみました。ご安心いただきたい。(商品がアップデートされている可能性もあるが、基本は「超極細」を選ぶこと)

以上、超音波洗浄機がない場合の洗い方をまとめますと、以下のようになる。

  1. レーベルガードを着用し、中性洗剤で盤面をこする(指・歯ブラシ・アルジャントなど)(洗い)
  2. 水道水で流す(すすぎ)
  3. 「水の激落ちくん」をレコード盤面にふりかけ、アルジャントでよく磨く(洗い)
  4. ちょこっと置く(2分ほど。激落ちくんの浸透をまちます)
  5. 水道水でよく流す(すすぎ)
  6. 水気を切ってよく乾かす。(脱水)
  7. ある程度乾いたらキムワイプで残りの水分を拭き取り、また乾かして終了

以上である。

なお洗浄にあたって必要と思われる便利アイテムについても以前この記事でまとめている。まだご覧になっていない方はぜひご参照いただきたい。

洗浄後のレコード収納:内袋の重要性

さて次は洗浄後の話。

レコード洗浄のあと、ジャケットにレコードを収納し直すのだが、ここで重要なのは「内袋」である。

可能であればぜひレコードが触れる「内袋」、これを交換して欲しい。

中古で購入したレコードは特に、レコードを直接包み込む内袋に見えない汚れ、カビ、ダニ、ホコリが実はたくさん付いている。

つまり、せっかく洗ったレコードをもとの内袋に戻すのは、お風呂上がりに昨日履いてた下着をまた履くのと一緒で清潔ではないのだ。内袋にカビなど生えていたら洗浄してもカビに侵食されてしまう。大切な盤を綺麗にした後は必ず内袋の交換、これを信条とすべきだと思っている。

「じゃあ内袋はどれがいいんだろう?」、私も紙のスリーブからグラシン紙のスリーブ、組合販売のビニールスリーブなど、いろいろ試してみた。結論、ナガオカの帯電防止スリーブをベストと判断したい。

別にナガオカさんの回し者ではない。勧めるには勧めるなりの理由がある。

  1. 帯電防止、と謳っているだけあって、確かに静電気が盤につきにくい
  2. コストパフォーマンスが良い(Mobile Fidelityなどでも同種のスリーブを出しているが、コストが高い)
  3. 国内メーカーなので手に入れやすい(1セット=50枚入り、だがこんなのあっという間になくなってしまう。手に入れやすさは非常に重要)

特に1.帯電防止機能についてはオフィシャルによるこのXのポストを見てもらいたい。下部の動画である。これほどわかりやすい帯電防止効果を示す動画はあるまい。

レコード洗浄ツールやアクセサリーはどうしても比較的お手頃なコストでしっかりとものづくりをしている国内メーカーがなんだかんだいって手を出しやすいのだ。

おまけ:レコード洗浄を極めれば、お得にお安く良盤を手に入れられるチャンスが拡大

以上、本日はレコード洗浄について補足してみた。

最後に一点おまけ、というか気づき、みたいなことを。

一言で言えば「値札の盤質評価に騙されない」ということだ。

レコード洗浄は「お得にレコードを仕入れるためには絶対に必要な技術」だと私は思っている。

レコ屋では基本的に盤を洗浄したり、磨いてから店頭に並べるということはしない。試し聞してから評価をつけることもあるだろうが、とても物量が多いのでショップ店員がそれを一枚一枚やるのはまず無理である。すると、彼らの見た目でVG++やVG+の評価&値付けをしていることがほとんどであると考えるのが妥当だろう。当然ながら、見た目が悪いとコンディション・評価も下がる。同じ盤であってもEXコンディションのブツとVG++のブツではかなり値段に差が生まれてくる。狙いはここだ。

長いことレコード購入を繰り返していれば、試聴しただけである程度「あ、このノイズは洗えば落ちるな」とか「この程度の盤スレが音へ影響してるんじゃないな、ホコリだな」「このモノラル盤は見た目はキズだらけだけど、洗ってモノ針で鳴らしたらたぶん大丈夫だな」という勘所が掴めてくる。

もちろん音が飛ぶような深いキズが入っていたり、ハリが飛んじゃうプレスミス、盤の歪みや盤ヤケは洗浄ではどうにもならない。しかしながらVGやVG+であっても洗浄すればEX~EX-コンディションになる盤というのも実はたくさんあって、事実、何枚も手に入れてきた。

レコード洗浄を極めると、「見た目悪いが洗えば大丈夫」な盤を見つけ、お安く購入し、家で洗浄して読み通りのEXコンディションでサイコーの音がスピーカーから出た時に思わずガッツポーズ!こんな快感が味わえる。

「コンディションや見た目によって値段が市場価値より下がっている良盤を探す楽しみが増える」、レコ洗浄を極めるとこんな新たな地平が見えてくる。レコ洗浄を極めれば、ご自身の耳でそのノイズが落とせるものかどうか判断できるようになり、お得にお安く目的のレコを手に入れる機会が広がるのだ。

皆様にも是非、めんどくさいだろうが、レコ洗いしてみて新たな地平を目指して欲しい。

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