スポンサーリンク

レコード買取価格推移 / オルタナティヴ、近年盤(Alternative, Indie Rock)

Disk Review

さて、これまで2回にわたってディスクユニオンの価格買取リストを元に、コロナ禍前後でどのように買取価格が推移してきたかをみてきた。

今回は最終回、90年代前後から最近までに発売された盤の推移を見ていきたい。

個人的には直近で一番価格変動が激しいのはこの年代だと購入者目線で感じていた。90年代はCDが全盛期でレコードもプレスはされたものの、そもそもの絶対数が少ない。私もリアルタイムで当時のレコードの価格を知っているが故に、「え、こんなに値上がりしているの?」なんて盤も結構ある気がしている。

私の体感はあくまで一購入者目線であるが、今回は買取目線でその価格変遷を見てみよう。

NIRVANA / NEVERMIND

DGC / DGC24425 / US ORIGINAL / LP / インナー / MASTERDISK刻印
  • 19年冬:¥20,000
  • 20年春:¥20,000
  • 23年夏:¥60,000(前回比:300%)
  • 23年冬:¥70,000(前回比:116.6%)
  • 24年春:¥80,000(前回比:114.2%)
  • 24年夏:ー(リスト記載はEU ORIGINALで¥10,000)

コロナ前と比較するとなんと4倍の買取価格がついているのが本作。90年代を代表する一枚であることは周知の通り。特にこの「MASTERDISK刻印」がついているものは轟音度合いが違うという。私はGERMAN ORIGINALを所有しているが、それでもかなりの轟音。USはさながらLED ZEPPELINⅡのRLカットのような特大に歪んだ音を聴かせてくれるようだ。

市場価格については現在はほとんどセールでも見なくなったため推測の域を出ないがおおよそ10万レベルか?私が現物を店舗で見たのは2020年ごろ、HMV新宿で35,000円で販売されていたのは記憶している。あの時買っておけば・・・と忸怩たる思いだ。

SMASHING PUMPKINS / MELLON COLLIE AND THE INFINITE SADNESS

HUT / HUTTLP / EU ORIGINAL / 3LP / ブックレット / LTD No.
  • 19年冬:¥20,000
  • 20年春:¥20,000
  • 23年夏:¥42,000(前回比:210%)
  • 23年冬:¥50,000(前回比:119.0%)
  • 24年春:¥50,000
  • 24年夏:ー

さてこちらも90年代を代表する一枚。スマパンの最高傑作「Tonight, Tonight」を収録した時代の空気を丸ごと詰め込んだ壮大な3枚組。私の中では「グランジロックオペラ」という呼び名が一番しっくりきている。

買取金額はコロナ前のおおよそ2.5倍。3枚組ということで盤のコンディションにもかなり左右されやすいと思う。この作品はちなみにUSバンドなんだが買取はEUオリジナル記載が多い。当時USではLP化されなかったのかもしれない。正直、壮大な作品なのでLPよりはCDないしサブスクで聴く方が楽な気もする。

MATTHEW SWEET / GIRLFRIEND

ZOO ENTERTAINMENT / 72445110151 / US ORIGINAL / LP / インサート
  • 19年冬:¥15,000
  • 20年春:¥13,000(前回比:86.6%)
  • 23年夏:¥13,000
  • 23年冬:¥15,000(前回比:115.3%)
  • 24年春:ー
  • 24年夏:ー

再発盤が乱発されたことで一時期ほどの価格変化がなかったのがマシュースウィートの本作。壁に飾られているとなんとなくオシャレな感じがするレコード代表、という感じだ。オリジナル盤でも大体販売価格は2万〜、というところ。昔、山下達郎も言っていたが「再発盤を出すと中古価格の低下を招きやすい」、まさにその好例のような盤である。

RED HOT CHILI PEPPERS / CALIFORNICATION

WARNER / 47386 / US ORIGINAL / 2LP / インサート / MAT:SRI表記
  • 19年冬:ー
  • 20年春:¥4,000
  • 23年夏:¥10,000(前回比:250%)
  • 23年冬:¥10,000
  • 24年春:ー
  • 24年夏:10,000

レッチリの代表作の一つ。コロナ前から250%の値上げは率としてはかなりのもの。こちらも人気盤ゆえ再発も多く、そこまで今後の高騰は望めないかと思う。とはいえ名盤、オリジナル盤の需要から緩やかな上昇カーブを描く気がする。店頭販売価格はコンディション次第だが2万ほどがいいところかと思う。

まとめと雑感

以上、今回はオルタナ関連を見てみた。

クラシックロックやビートルズ以上に買取価格の上昇率が高いのがこの時代のレコードである。オルタナ以降2010年代前半はLPが衰退〜CD全盛期〜サブスクの登場、という時代の過渡期であったため、LPそのもののプレス数も少ない(中にはもちろんLP発売がなかった作品もある)。

そこに加えて直近のレコードブームである。ニュースやSNSトレンドなどでちょっとしたトピックスがあると急に値段が跳ね上がる可能性があるのはこのジャンルだ。

例えば先日再結成を発表したオアシス、名作の誉高いファースト、セカンドは販売価格がおおよそ1.5倍に高騰している。再発盤も出てはいるが、オアシスのように音響にこだわりを持ってプレスされたレコードは再発にはない魅力があるため、今後も希少価値が高まることと思われる。

またテイラー・スイフトは版権の問題から過去作を全てリマスターして再発した関係から、旧MIXプレスのLPは価格急騰している。

BIG MACHINE / BMRBD0500L / US / 2LP / CLEAR & PINKヴィニール

例えば彼女の代表作「1989」だが、こちらの買取価格は¥60,000(24年春リストより)。00年代発売の作品としては最高額部類に位置する。

もちろん投資商品としてLPを愛好しているわけではないのだが、やはりお目当ての品を安価に手に入れたいというのは誰もが思うところ。そうするとやはり今後は「先物買い」が良いような気がする。

サブスクでまずは自分で最新の音楽を聴いてみて、気に入ったら早めにLPで手に入れておく。この方向が一番安価な方法な気がしている最近である。

いつものショッピングでポイントがダブルで貯まる!ポイ活ならモッピー

コメント

タイトルとURLをコピーしました