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チェンマイ時短観光:首長族の村とドーイ・ステープを一気に回る方法(2024年・夏)

チェンマイ

首長族の村とドーイ・ステープを一気に回るDIYツアー

チェンマイはタイの首都バンコクの北にあるタイ第二の都市だ。

バンコクから飛行機で約1時間、値段は片道1万円前後。同じくバンコクから電車で行くという手段もあるのだが、10時間以上かかることからよほど呑気な旅人さん以外にはおすすめしない。
飛行機ならエアアジアやベトジェットなどでおおよそ1時間に一本程度運行されている。億劫でなければバンコク市内から気軽に行ける場所と言える。

2024年9月に私は思い立ってチェンマイに2泊3日のショートトリップをしてきた。今回はその際に私が実施したDIYツアー、「ドーイ・ステープと首長族(カレン族)の村を一気に回る方法について記録しておきたいと思う。

古都・チェンマイのランドマーク「ターペー門」

チェンマイは往時の都、ということで城壁に囲まれた一角が残っている。ここがいわゆる「旧市街」。

Screenshot

ターペー門、という鳩だらけの門がランドマークとなっている。

チェンマイの各観光地への距離や時間の目安としてこのターペー門はランドマークとしてわかりやすい。

ただ、ランドマークではあるが宿はこのターペー門近くはおすすめしない。「ターペー門を起点に観光巡りをするといい」、と観光ガイドやYOUTUBEで見聞きしたので私もそれに従いターペー門近くに宿をとった。
これは結論から言うと失敗したなぁ、と思っている。

ぶっちゃけ、近くに何もない。セブンイレブンがある程度だ。それなのにあえて観光名所のそばの、値段も内容の割に高止まりしやすい投宿する意味はなかった。

チェンマイでは特に配車アプリの「Grab」が普及していてどこへ行くのでもタクシーで気軽に行ける。今度行くならナイトマーケット至近の川沿いの宿か、ショッピングモールやオシャレなカフェが軒を連ねるニマンヘミンエリアにホテルを取ろうと思う。

チェンマイ北部、首長族の村の場所

チェンマイ旧市街地の北西部に、首長族の村がある。

英語で「LONG NECK KAREN」、カレン族の村だ。

Googleマップなどで「チェンマイ 首長族」とか「カレン族」とかで調べると以下のような地図が出てくると思う。

Screenshot

観光ランドマークである「ターペー門」からカレン族の村まではおおよそ20キロである。北部とはいえ昼間は暑い9月のチェンマイ、車でなければ向かうのは難しい。

単純に行くだけであればGrabで手配すればいいのだが、帰りの手配はなかなか厳しそうだ。Grabは基本的に片道運行。乗る場所で目的地までの車を手配することになる。行きは市街地から、なので容易にタクシーは捕まえられるが、帰りは辺鄙な村からである。調べてみると村に常時タクシー待機などはなく、公共交通機関ももちろん通っていない。Grabで帰路を確保するためには周辺が交通量が多いことが望ましいわけだが、そんな場所ではない。

ということは、首長族の村を訪問するためには往復で車をチャーターしなければならないことになる。

準備のいい方ならばチェンマイ訪問数日前に予約サイトなどで車をチャーターしておけば全く問題ない。そう、それが普通だ。それができている人はこの記事は正直必要ない。この記事が必要なのは私のような怠惰でめんどくさがり、事前手配があまり得意ではない、でも英語もカタコトに毛が生えた程度でタイ語などよくわからない、そういう人だ。

私は今回2泊3日の日程で、行き当たりばったりでチェンマイにきてしまった。観光ガイドも東京からバンコクに向かう機内でペラペラめくる程度で、準備なんぞ何もしてない。ペラペラめくったガイドブック、その中で首長族に惹かれ、会いたくなったというわけだ。ところが、バンコクについても事前予約などは忘れていた(厳密にはめんどくさくてやってなかった)。バンコク到着後は即パタヤ直行でリゾート沈没していたため、ちらっと頭はよぎったものの、無視して後回しにした。

そしてパタヤで過ごすこと幾日、今日からチェンマイというその日に「あ、明日首長族さんに会いに行きたい」なんて急に焦り出したクチだ。

もう一つの観光名所:ドーイ・ステープ

さて、首長族と共にもう一つ気になった観光名所、それがドーイ・ステープだ。

こちらはチェンマイ旧市街地から北西の山中にある寺院だ。山の上に位置することからチェンマイエリアが一望できる、かつ格式の高いお寺ということで、これも見てみたいなと思った。

ドーイ・ステープの寺院

調べるとドーイ・ステープまでは旧市街地から乗合のソンテウが往復運行していることがわかった。またチェンマイで一番の観光地らしいので帰りでもGrab手配は容易とのこと。

ここで私、長考に入る。

「なんとかして、このドーイ・ステープと首長族をシームレスに回れないものかな…」と。

時短観光メニュー:ドーイ・ステープと首長族を一気に回る方法

めんどくさがり、かつ日程も限られている。観光名所はみたいがそんなに手間はかけたくない。

まずは手取り早く観光名所を回れる現地パッケージツアーがないか探してみた。

「首長族」ツアー、「ドーイ・ステープ」ツアーともあるのだが、いかんせん両方を一気に回るツアーというのはなかった。いずれも別個のツアーとして組まれている。また参加前日申し込みなんていう都合のいいものは数が限られている。2泊3日、しかも今は1泊目の夜だ、誰が考えたってそんな都合のいいものはないわけだ。

Googleマップを開いてみた。やりたいことはこういうことだ。

移動だけで約2時間。観光滞在も入れると5時間くらいか。2泊3日しかない私にはこのルートしかない。

ただ問題は首長族の村から旧市街地への帰還の足をどうやって確保するか、だ。

考えられる選択肢は以下

①スタートからタクシー(ソンテウ)をチャーターする

最有力はこれだろう。スタート地点のターペー門近くからタクシーをチャーターすること。「これからドーイ・ステープに行って、その後首長族の村に行って、最後は旧市街まで送ってくれ。いくらになる?」と観光タクシーに当日話をつける方法。

だが、ここで大きな問題にぶつかる。チェンマイ、流しのタクシーがそもそもほとんどいないのだ。Grabで使うのはいわゆる「白タク」であって、バンコクのようにタクシーとはっきりわかるような車はほとんど走っていない。事実ターペー門近くを観察したが、いるのはソンテウという台車乗合タクシーだけだ。

ソンテウの乗り心地はあまり良くない。パタヤではこのソンテウがいわば私的公共交通機関なので多用しているが、決して褒められた乗り心地ではない。

今回の目的地、ドーイ・ステープおよび首長族はともに山間地にある。山道を荷台に備え付けられたベンチに乗って突き進むというのはさすがに辛い。20代なら行けそうな気もするが40も半ばを過ぎた身としてはかなり苦しい。

また英語力の限界もある。上記のような交渉をカタコト英語でうまくできるだろうか?Google翻訳を使ってなんとかやれそうな気もするが、相手の英語力にもよる。余談だがGoogle翻訳で日本語→タイ語、はニュアンスがうまく訳されてないことも多いと実感している。過信は危険。日本語から一旦英語に翻訳してそれをそのまま話すか、英語からタイ語に訳した方が精度は高い。

手段としてなくはないが、後回しにしたい一手だ。

②ドーイ・ステープ、ないし首長族の村を単体往復する

シンプルにドーイ・ステープと市街地の往復、および首長族と市街地の往復、ならば①よりもハードルは下がる気がする。ドーイ・ステープだけなら一大観光地なのでどんなソンテウでもOKだろうし、往路・復路ともその都度Grabで手配可能だろうと思う。首長族は復路の手配がややこしいが、ソンテウの運転手と交渉すればなんとかなる気もする。経由の説明をするよりはハードルが低そうだ。

とはいえ、これは時間を食う。ターペー門からドーイ・ステープまではおおよそ25キロ、時間にすると約1時間、しかも半分は山道だ。またターペー門から首長族の村まではおおよそ20キロ、こちらも1時間程度は見ておいた方が良い気がする。そうすると例えば2泊3日の2日目をドーイ・ステープ、3日目を首長族の村、と分ける手はある。帰りの飛行機の時間にもよるが、本来は分けた方がカラダも楽だ。ただ、どうしても生来怠惰な私としてはこの工程に2日かけるのはどうも効率が悪く感じられる。次善手だろう。

③ドーイ・ステープまでGrabで移動→ドーイ・ステープ前のタクシー(ソンテウ)に交渉し、「首長族の村に行って、帰りは市街地まで送ってくれ」という交渉を行う

結論、今回私が取った手法はこれだ。

なぜこの方法を取ったか?理由は「ドーイ・ステープには観光帰りの客を狙ったタクシーやソンテウがひしめいているに違いない。その人たちは旧市街地に送るよりも、『別の観光地にいかないか?』と誘ってくるはず(これはタイあるある。どの観光地に行っても出口には次の観光を勧めるタクシーがひしめいている)。その流れで交渉すれば、意外とすんなり目的達成できるのではないか?」という仮説を立てたからだ。

交渉成功!意外に簡単だった。

結果、これは正解だったと思う。以下、私の具体的行動を記しておく。

まずはターペー門近所のホテルからドーイ・ステープまでGrabで移動した。

料金は450バーツ、1バーツ4.3円換算で1,935円。450バーツというのはバンコクでの移動で考えると結構な金額だが、25キロ走って日本円で1,935円なら極めて安いと思う。都内のタクシー移動を考えればおそらく万越え確実な距離だ。市街地北部のソンテウ乗り場から発車している定期便に乗る手もあるが、そこまでの移動もめんどくさいのでここはGrab一択。

ドーイ・ステープの入口。常にソンテウが待機している。

ドーイ・ステープ観光後は、出口(入口と同じ)に待機しているタクシー、ソンテウを探す。案の定というかやはり、というか、それと見てタクシーとわかる車は見つからない。あるのはソンテウだけだ。

ソンテウの運転手たちは観光地の写真を持って「タクシー!タクシー!」と叫んでいる。客引きだ。つまりは「次の観光地に行かないか?」と誘っているのだ。

観光客を誘う運転手。看板に観光地とそこまでの値段が書かれている。

中には「こういう観光案内してるタクシー(ソンテウ)は避けた方がいい」という人もいるだろう。それは正解だと思う。ただ、私には時間がない。ボッタクリは怖いが、めんどくさいのもごめんだ。

こういう時は自分の中で基準値を作っておくのがいいと思う。つまり「いくら以内なら行く、それ以上なら行かない」、割り切りだ。今回私はドーイ・ステープ→首長族→旧市街地、で移動距離をおおよそ50キロくらい、と勝手に目算した。その場合のタクシー代として妥当なのは1000バーツ、日本円で4500円以内、ときっちり心の中で決めていた。

ボッタクリ、というのは「市場価格以上で売りつけられること」ではないと私は思っている。自分が納得できる料金であればボッタクリではなく適正価格。それが市場価格より高かったとしても適正価格、と思うことにしている。東南アジアでは特に、だ。自分が納得できるならそれでいいじゃないか。

早速写真の運転手が声をかけてきたので会話をしてみた。

運転手「どっか行かないか?」

私「実は首長族の村(英語でLong Neckといって、首長族の首輪のジェスチャーをした)に行きたいんだけど」

運転手「それは遠いなぁ…(でかい地図を出し)みてみろ、ここだぞ。今がここだ」

私「ここでしょ?(Googleマップでドーイ・ステープから首長族の村への経路図を見せる)」

運転手「ああ、そうだ。帰るのも大変なんだよな」

私「(ここで一気に捲し立てる)これから首長族の村に連れてってくれ。そして観光後、旧市街地のMaya(メイヤー、と読む。現地で有名な旧市街地そばにあるショッピングモール)まで送っていってくれ」

運転手「何?首長族まで行って、Mayaまで送るのか?」

私「How Much?」

運転手「うーん…(しばらく値踏みする)そうだな、800バーツ(3,500円程度)でどうだ?」

私「OK、行こう!観光してる時は待っててくれよ」

運転手「わかった」

以上が私と運転手の会話である。なお、私の英語はほぼカタコトだ。ジェスチャーを交えている。ただ、タイ人もほとんどがカタコトの英語だ。言いたいことが伝わっているかどうか、お互い怪しいのだが、目的地は地図で理解させたし、値段は基準値内だったので言い値で受けた。お互いにWin-Winなので互いを裏切る必要が全くない。この取引は成功しているはずだ、と思った。

事実、物事は順調にいった。運転手は車に乗り込むと私を乗せて山道を爆走、首長族の村まで澱みない運転で連れて行ってくれた。

乗車したソンテウ
首長族の村に向かうソンテウの車窓から。舗装道路に広がるのどかな風景

村について「ここで待っていてくれ」と私がいうと「もちろんだ」と。そして観光を終えて戻ってくるとしっかり待っていた。

帰り道、車に乗り込む際に「ここで料金を先にもらっていいか?」と言われた。多少訝しんだ表情を私がすると「ソンテウだから、途中信号で降りられても困るんだ」と納得の回答。私は言い値の800バーツに加えて、チップで100バーツを渡した。運転手が喜んだのはいうまでもないし、私としても当初決めていた基準価格の1000バーツをチップ込みで下回っているのだから申し分ない。

「なぁ、あんた喫煙者なら車内で吸っていいぞ。一人しか乗ってないんだから、どんどん吸ってくれ」運転手が運転席乗り込む前に私にいった。信頼関係ができた証だ。

首長族の村を後にして山道を降る道すがら、私は100円ライターで日本から持参したハイライトに火をつけた。「自分で思い描いた観光地を、思い描いたやり方で見事巡れたぞ」という達成感を味わいながら。ソンテウの窓は全開だ。

まとめ:費用と時間

以上、チェンマイの二大観光地?ドーイ・ステープと首長族の村を一気に回る方法をご紹介した。最後にまとめとしてかかった費用と時間を記載しておきたい。

費用(交通費のみ)

・ターペー門からドーイ・ステープ:450バーツ

・ドーイ・ステープ→首長族の村→旧市街地(ショッピングセンターMaya):900バーツ(チップ込み)

→合計1250バーツ(日本円換算:5,805円)

別途、首長族の村の入村料500バーツやドーイ・ステープ見学料50バーツなどかかる。

時間(交通+観光)

ターペー門出発からMaya帰着、まででおおよそ3.5時間だった。AM10時に出発、Maya着は13:30ごろだった。

所要時間は観光にどのくらい時間をかけるか?で個人差が生じるところだ。また交通量にもよる。今回は道も空いていたのでスムーズな移動であった。

いずれにせよおおよそ半日弱で両方回ることは可能ということだ。

以上、参考になれば幸い。

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